DELTAホームページより
本シリーズは、長沢が2008年から13年にわたり撮影を続けてきた作品です。一見するとアメリカを思わせる街並みや風景ですが、実際に撮影されている場所は、東京から南に約1000kmに位置する小笠原諸島・父島です。
1830年に欧米人とカナカ人が入植し、1876年に日本領となった父島は、戦時下の強制疎開や戦後23年間の米軍占領など、幾度もの歴史的転換を経験してきました。政治や戦争に翻弄されながらも、入植者達の子孫は「Bonin Islanders(小笠原人)」という独自のアイデンティティを育んできました。長沢は住民との交流を重ね、このアイデンティティに光をあてながら、ポートレートや風景、歴史的資料を通じて複雑に絡み合う歴史を丁寧に紡ぎ直しています。
本展で紹介するシリーズは、2025年に木村伊兵衛賞を受賞したシリーズ〈Mary Had a Little Lamb〉へとつながる重要な作品群です。人々の姿と風景を通じて、島に刻まれた歴史と記憶を静かに物語ります。
同時期開催で文化庁主催の「LinkArchiScape—建築ツーリズムをつなぐ」のArt Exhibitionに参加します。
